配当性向は高いほど良い?
シーゲル流の投資術では、成長を期待されずに株価が低迷しているが、安定して配当を出す企業への投資を重要視しています。
配当の多寡を評価するは主に二つの指標を見ます。
ひとつめは配当利回りです。
これは、1年間にもらえる予定の配当が現在の株価の何%に相当するかというものです、投資家にとって直接的な利益率を表します。
もうひとつは配当性向です。
これは、企業が稼いだ利益をどのくらい積極的に株主に還元しているかを表すものです。
例えば、配当性向50%の場合は、稼いだ利益の半分を株主に還元し、残り半分は成長のために投資したり、内部留保として社内に蓄積するという意味です。
この指標は企業の株主への還元姿勢を表すものなので、高い方が株主還元に積極的と言えます。
ただ、この配当性向。高すぎる場合も要注意です。
配当性向が高い場合、いくつかの理由が考えられます。
①新規の投資をほとんど必要としないため、積極的に株主に還元している
②利益は伸びていないが配当を維持するために高くなっている
①ならばそれほど問題ないと思いますが、②の場合は要注意です。
アメリカでは株主還元が経営者の評価につながることが多くあるため、経営者が自分の評価を維持するために無理をして配当を出すことがありえます。
特に長年増配を継続している企業では、減配してしまうと大幅な株価の下落を引き起こし、能力のない経営者という烙印を押される懸念があるために簡単に減配はできません。
例えば最近、個人的に心配しているのは、P&Gです。
売り上げが減少傾向で、利益は横ばいです。
EPS(一株利益)は2017年は上昇していますが、それ以外の年は減少か横ばい傾向です。
配当性向がじりじりと上昇しており、2009年の40%から、2018年は70%に達しています。
配当金は右肩上がりですが、近年は上昇率が低下しています。
余裕がなくなってきて、ペースを落としたのではないかと思えます。
少ないながらも増配を継続するのは連続増配年数が60年を超える配当王の意地かもしれません。
毎年しっかりと利益を上げていますし、キャッシュフローもしっかりとある企業なのですぐに減配はないと思いますが、長期投資という観点からは少しだけ不安を覚えています。
というわけで、私はちょっとだけP&Gへの投資は控え目にしようかなと思っている次第です。
ただし、買わないとは言っていません。
なにしろ、魅力的な商品がたくさんあり、自分自身も大変お世話になっているからです。
少しだけ、購入ペースを落とすだけです。
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