景気先行指数(2018年9月)
前回の記事で、自分自身の景気判定基準を設けると宣言しましたが、オリジナルなものを考えるのはやめました。
NBERが参照している指数とか組み合わせて独自に景気後退を判断しようなどと考えていたわけですが、こんなことを考えること自体、無知からくる思い上がりですよね。
正直、今となっては恥ずかしい限りです。
景気循環は経済にとって超重要事項ですから、個々人がやらなくても企業や公的機関が取り組んでいます。
私なんぞの出る幕はありません。
アメリカの景気を先取りして判断したい時、特に重視されているのが、民間非営利のシンクタンク、コンファレンスボードが毎月公表している景気先行指数と、その指数を構成する10の指標です
景気先行指数は、景気の方向性・転換点を判断するうえで重要視されており、一般的に景気の山に対しては約9か月、谷に対しては約4か月先行すると言われています。
構成する指標は景気先行指数よりも先に公開されるので、先行指数の発表自体は市場へそれほど大きな影響を与えませんが、実際の景気を先取り判断するには良さそうです。
構成指標は下記10個です。
(1)週平均労働時間
(2)週平均失業保険申請件数
(3)消費財受注
(4)入荷遅延比率
(5)非国防資本財受注
(6)新規建設許可
(7)普通株500種株価
(8)マネーサプライ(M2)
(9)長短金利スプレッド
(10)消費者期待度指数
プロの投資家などは個々の構成指標発表時にも景気判断に織り込んでいくのでしょうが、私の様な兼業投資家はそんな手間はかけられないので、月一回の先行指数の発表だけをウォッチしておけば良いでしょう。
下記が景気先行指数です。
コンファレンスボードのHPから入手できた分をグラフ化しました。
青の縦棒は景気先行指数の前月比増減率、赤い線は増減率を半年分移動平均したもの、オレンジは積算したものです。
景気先行指数では、景気の伸びや変化を判断するため、指数自体よりも前月比の増減率が重視されています。
半年の移動平均をとったのは、月々の数値のブレを平滑化して、傾向を確認しやすくするためです。
積算のグラフは、株価と比較するために計算してみました。
グラフ下の太線矢印は、NBERの景気判断です。
緑は景気拡大期、オレンジは景気後退期を表します。
こしてグラフにして見てみると、半年移動平均値が-0.2%を下回ると数か月以内に景気後退期が始まり、0%を上回ると数か月以内に景気拡大期が始まっています。
景気後退期を一回しか含んでいないデータなので分析不足なのは否めませんが、景気に先行する雰囲気は確認できました。
S&P500とも比較してみましたが、 景気先行指数の積算値と似た傾向が確認できました。
(Yahoo Financeより引用)
景気先行指数は市況の変化を数値で示してくれます。
人間の感覚の様な曖昧なものだけに頼るより、確固たる目印になるでしょう。
ここ2年くらいは0.3~0.5%くらいの伸びが続いており、景気後退期に入る懸念は表われていないため、もうしばらく実体経済は堅調なものを思われます。
増減率が1,2回マイナスになるまでは心配せずに通常通り買い増しを続けようと思います
これだけに頼るのは危険かもしれませんが、とりあえず、この指数だけは毎月チェックし続けることに決めました。
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